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最近は、空き家問題の相談が増えています。
相続の相談のなかで、いらない田舎の不動産(の所有権)を放棄したいということを聞くことが増えました。
相続放棄をすることで、所有権放棄ができると考える人も多いようです。
利用しない不動産の維持や管理費用の問題と空き家の所有にかかる責任から逃れたい気持ちは理解できます。
しかし、現実には所有権放棄は難しいと考えています。
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空き家問題とそのリスク
田舎の空き家の対策と処分
※ 相続土地国庫帰属法が令和5年4月27日より施行されますので、土地のみは、
厳しい要件を満たせば所有権放棄が可能になります。(R5.4.7追記)
次の記述は、相続土地国庫帰属法成立前に記載されたものです。
結論から言えば、
手続上できない又は非常に困難です。
それは、民法に、
所有権を有する者が所有権を放棄する直接の規定がない事も理由の1つです。
参考:物権の放棄に関する民法の規定について
所有権持分(民法第255条)、永小作権(民法第275条)、地上権(民法第398条)、抵当権(民法第376条)など
このように、通常の物権の放棄は、
単独行為でできる旨の規定があります。
そして、放棄の意思表示をすることが要件です。
但し、不動産登記はそれでも共同申請が原則です。
※ 共同申請とは、ここでは権利を失う者と受け取る者が共同で申請する行為です。
しかし、
所有権の放棄の場合は、解釈論しか聞いたことがありません。
※ 下級審の判決はあるかもしれませんが、私は知りません。
動産の所有権については、無主物先占の規定があります。
※ 簡単に言えば、所有者がいない動産は、
先に占有した人のものになるという考え方です。
例えば、不要なモノを捨ててしまえば、
(捨てる=モノの所有権を放棄する)
誰が拾っても、
拾った人のものになるということです。
これに対して、不動産には、無主物先占の規定がありません。
その代わり、無主の不動産は国庫に帰属する規定があります。
そして、所有権を放棄したら無主物になる、
という直接の規定が民法にはありません。
※ (筆者主観)現在の民法制定当時には、
日本人の不動産信仰が強く、
不動産を捨てるという考え方がなかったかもしれません。
残るのは、類推解釈などの解釈論になると思います。
この所有権放棄の解釈論は、
学者さんや弁護士さんが専門なのですが、
司法書士は、その職責上、手続きを重視します。
先述したように、
明確な実体法の規定がなく解釈論しかない状態では、
手続法も明示できないのはやむを得ないことです。
なお、不動産の登記先例では、
所有権放棄はできないから、
所有権放棄の方法がないという先例と、
(昭和41年8月27日付民事甲第1953号)
※ (筆者主観)所有権放棄はできない=実体的な規定がないということか?
一応、
所有権放棄を解釈上認めている先例もあるものの、
それは、国庫帰属という相対的放棄と解釈しています。
※ (筆者主観)単に単独行為の放棄と考えるのではなく、
手続きを整えてから国庫帰属させる手続きを要することか?
そして、所有権放棄の登記は単独申請ではできず、
不動産登記法の原則通り、
国との共同申請によるべきとし、
国が引き取らない場合は、
国への登記引取請求訴訟もやむなしと言う先例があります。
(弁護士法23条の2による照会)
・昭和55年2月21日付け富弁高照発第7号への法務省民事局の回答
参考:国庫の帰属規定とは?
相続人不存在の場合には、民法959条のように、
国庫帰属の規定があり、その他にも、
民法239条第2項で「所有権のない不動産は、国庫に帰属する」という、
規定があります。
もし仮に、
国庫帰属の要件を整えるという困難なハードルを越えたとしても、
次の大きなハードルは、
実務上の国への引き取り手続きがあります。
しかし、国が引き取る基準が厳しいのが現実です。
要するに、
タダで引き取ってもらうのに、
弁護士や司法書士費用、
相続財産管理人などの選任費用や、
基準を満たすための測量や調査などのお金がかかります。
国庫引取り基準は、
財務省の物納基準がほぼ当てはまります。
例えば、
以下のような基準を全て満たす必要があります。
1.抵当権などの担保物権がついていないもの
2.境界がはっきりしているもの
3.測量が行われているもの(原則として登記簿と合うこと)
4.瑕疵がないもの(地下埋蔵物や土壌汚染、アスベスト等がないこと)
5.建築基準法上の道路に面しているもの
6.維持・管理費用が不動産の価値に比して安いもの
7.争いがないもの
8.この他引き取りを拒む合理的な理由がないこと
以上のように、
民間の取引よりも厳しい基準ですので、
国庫帰属の可能性が乏しいのが現実です。
誰かが、空き家を占有して取得時効でも援用してくれれば、
その所有権は移転するので、
喜んで空き家を引き渡したいところです。
筆者も取得時効で共同申請の所有権移転をしたことがあります。
ただ、今後、裁判例が集積されて、
最高裁判所で、
所有権放棄の具体的な判断が下される日が来るかもしれません。
よって、
しばらくは、所有権放棄は現実的ではありません。
(R5.4.2追記)
土地のみの放棄の制度が新設されました。
相続土地国庫帰属法が令和5年4月27日より施行されます。
(下の方にリンクを貼りました)
国庫帰属(但し、土地のみ)
➡ 現状では利用困難と思われます
これは、次のようなものです。
A.申請人は、相続又は遺贈で土地取得した人
B.法務大臣に要件審査をしてもらう
※ 審査きびしい
C.審査手数料(土地1筆当り、14000円)
※ 却下、不承認でも返還不可
D.却下又は不承認事由が多い
※ 建物不可、境界確定要、管理が大変なら不可など
E.10年分の負担金(管理費)がかかる
※ 田舎の原野で20万円から、市街地(100㎡)は55万円から
※ この制度は、相続人がいらない土地は、
国も引き取れない制度といっても過言ではありません。
仮に、国庫帰属ができるとしても、
かなりの費用を覚悟しなければならないでしょう。
例えば、仮に土地を国庫帰属させる前提で、
上物の建物は取壊しをしてから申請することになりますが、
それには土地のみならば国庫帰属ができる確信が必要です。
従って、国への申請費用や専門家費用だけではなく、
事前調査費用や取壊し費用も別途必要と考えられます。
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