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コラム36(司法書士が見た登記の落とし穴4ー私道トラブル1)

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登記と私道にまつわるトラブルのお話しです

人気の登記の落とし穴シリーズは、なんと4編目となりました。

今回は、長いので2回に分けてお伝えします。

1回目は、私道の取り扱いはプロの不動産会社でさえも、見落とすことがあるお話しです。

 

R5.9.1追記:本文は平成30年に書いていますが、
令和5年4月1日より民法の一部改正があり、
私道問題に少し風穴が開くかもしれません。

この改正では、新民法213条の2で隣地所有者等の同意がとれない場合でも、
他人の私道上に上水道などライフラインの設置工事や
利用をすることができると権利の明文化がなされました。

しかし、他の私道所有者の同意がない場合は、
自力救済は禁止ですので、裁判によって権利を実現させることになります。

裁判によって権利を実現できても、自宅に住みにくなったり、
トラブルありとして売却価格が安くなるという問題が考えられます。

従って、法改正があったとしても、できるだけ
従来通り他の私道所有者からの同意を得ることが最善と考えます。

 

もくじ

不動産売買の相談で聞いた私道トラブル

1.私道が売買対象から漏れていた話(たすき掛け私道の盲点)

2.私道の売主側の根抵当権が抹消されていなかった

3.私道を法外に高く買うことになった話

 

最近は、「簡単」、「○○でもできる」、「待っているだけ」などと、

誰でも簡単に不動産投資ができると思わせる広告や本が多いのですが、

その簡単不動産投資にまつわるニュースが多いことも皆様はお気づきでしょう。

 

平成30年は、地面師、シェアハウスやアパートのサブリース(また貸し+家賃保証)、

デート商法、融資書類の改ざんなどを原因とする不動産トラブルが明らかになりました。

 

不動産の世界は、

地面師、半グレ、ブローカー、反社会組織等の魑魅魍魎が超慮跋扈する深淵があります。

 

私は、不動産業者や財産コンサルタント、飲食店フランチャイズ本部法務室、司法書士の立場からトラブルを見た限り、とても素人さんが手に負えるものではないと思います。

 

今回のコラムでは、私道のトラブルに巻き込まれないよう、

不動産の相続や売買の際は不動産会社だけではなく、

お金を払ってでも弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。

くれぐれもお気を付けください。

(無料相談では、本質的な相談は困難です)

 

不動産の登記や売却、取得などのご相談は、

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不動産売買の相談で聞いた私道トラブル

用語の定義は、おおよそ次の通りです。

公道とは:国や都道府県・市区町村などの自治体所有の道路

私道とは:個人または法人が所有する土地を道路として利用する土地

本地とは:私道に隣接した、もしくは私道とセットの敷地のこと

 

私道の種類:共同所有型私道(1筆の土地を数人で共有)と

総合持合い型私道(私道利用者がそれぞれ道路部分の土地の所有権を持合う)があります

 

総合持合い型私道には、

本地と隣接した私道以外にも、たすき掛け型、ようかん切り型などの持合い方があります

 

1.私道が売買対象から漏れていた話(たすき掛け私道の盲点)

相談例は、買主Xが購入した築30年以上の中古一戸建ての私道の一部が売買から抜けていたという相談でした。

 

この一戸建てには、

もともとあった甲と買増した乙の2つの私道があったのですが、

本地に隣接した1つの私道(乙)だけが売買対象でした。

 

忘れられた私道(甲)は、

たすき掛けという方式(本地に隣接しない別の場所に私道を設定する方法)で、

もともと分譲時にあったものでした。

 

しかし、売主Aが、

本地に隣接した私道(乙)をあとで購入したために、

売主は、昔のたすき掛け私道(甲)は不要と思っていたのか、

忘れていたのかはわかりません。

 

私道(乙)を売った所有者Bの本地は、

私道と公道との三方の角に面しており、私道は不要だったようです。

 

では、どうして忘れられた私道がみつかったのでしょうか?

別の土地の所有者Cの本地が今回の売主Aの私道(甲)に隣接しており、

所有者Cは、私道(甲)は売主Aから買主Xが買ったものと思っていた。

 

建物建て替えにあたって、

CがXに上下水道の掘削工事の同意を求めてきたことで明らかになりました。

 

これは、不動産会社が仲介したものでした。

 

このように、不動産会社でも、

経験が浅い又は分野が違う不動産会社だと、

売買対象の調査を漏らすことがあります。

 

結局、不動産会社の理解と責任で、

たすき掛け私道(甲)の登記を売主Aから買主Xにして、

司法書士費用は不動産会社が負担したそうです。

 

 余談:買主Xは私道(乙)を所有しているので何が問題なのでしょうか?

確かに一見買主Xに表面上の問題はないように見えます。

 

しかし、私道(甲)の登記を忘れることで、

次のような問題が発生する恐れがあります。

 

1.売主Aは土地建物を全て買主Xに売ったとして気が付かなかった私道(甲)は、

相続を経て所有者不明土地に生まれ変わる

 

2.私道(甲)の所有権が売主Aか買主Xのものかが争われるきっかけになる

 

3.私道(甲)の所有権が確定しない間は、

私道(甲)に隣接した所有者Cやその私道(甲)を所有または、

利用したい人が利用できずに困る

 

4.特段の事情がない限り、

本地と私道は一緒に売買することが普通であり、

本来は買主Xがその私道(甲)も含めて買ったものと言え(単なる契約書の記載漏れ)、

私道(甲)の価値の損害が発生する

 

例えば、私道(甲)を買主Xから購入したい人が現れた場合に損害が顕在化します。

※ R1.10.7(更正)一部の表示誤りを訂正しました

 

 不動産の存在、権利関係の調査はプロでも見落とすことがある

不動産会社は、売主から事情聴取をしたり、

重要事項説明のための役所調査を行います。

 

また、現地も見るし、

固定資産税精算や所有権移転登記のために、

公図や登記簿謄本、固定資産税の公課証明書などを取得するし、

登記済み権利証も確認するはずです。

 

しかし、不動産会社は、

本地の登記(昭和年代)と私道の登記(平成年代)の取得時の不自然さに

気づかなかったのかもしれません。

 

 私道は、忘れられていることがある

売主自身も、私道の存在やその重要さに気づいていないことがあります。

また、私道だけ相続登記を行っていないことがありますので、

名寄帳でも判明しないことがあります。

 

 不動産会社でも、中古一戸建ての売買は慣れていないことがある

以前お世話になったことがある不動産会社に頼んだのに、

トラブルになったと聞いたことがあります。

 

普通の人は、

不動産会社の専門性をあまり理解していないと思いますが、

不動産会社にもお医者さんのように、

専門や得手不得手があることを理解して下さい。

 

例えば、町の不動産会社のように、

どちらかと言えばアパートやマンションの賃貸や管理を中心とした不動産会社の方は、

不動産売買が苦手な方もいます。

 

また、投資マンションの仲介が中心の不動産会社は、

仕入れの土地や中古戸建ての売買の怖さを知らない方もいます。

 

 不動産の売買や登記は、普通の人には落とし穴がいっぱい

不動産の売買やその登記には、

経験と高度な知識が必要なことが多いのですが、

ネットの発達によって情報だけはたくさん入るので、

油断してしまうことがあります。

 

書類のテンプレート(雛形)は簡単に手に入りますが、

実務慣行や法改正、必要な書類の判断、調査方法は、

やはり実務経験者に頼らなければならないことが多いと思います。

 

例えば、空手の通信教育を受けても、

実戦を経験しなければ強くはなれないことと同様に、

不動産の世界もネット上の知識が充実していても、

普通の方がその知識を使いこなせるとは限りません。

簡単そうに見えても、不動産売買には、落とし穴がいっぱいです。 

 

所有者不明土地問題1-相続登記は進むのか

2.私道の売主側の根抵当権が抹消されていなかった

相談例は、

昭和50年代に不動産会社からエンドユーザ―(買主)へ

戸建て分譲をした際に、買主の共有私道には、

不動産会社が土地を仕入れ時に設定した不動産会社の根抵当権が

残っていた(抹消されていなかった)というお話です。

 

分かりにくいですが、

ある買主の持分にだけ売主の根抵当権が残っていたお話です。

なお、買主は現金で自宅を購入しました。

 

ただ、約40年前の話なので、

当時の不動産会社のミスか司法書士のミスか、

その理由は分からなかったといいます。

 

私も相談を受けて驚きましたし、

よく今まで買主に気づかれなかったものだと思います。

 

これは、

買主が自宅を売却しようと思って登記簿謄本を見たことで、

根抵当権の存在が発覚し、

司法書士を通じて売主不動産会社に問い合わせをしました。

 

幸いだったのが、売主不動産会社もまだ存在していたことと、

根抵当権者の商号(名前)は変わっていましたが、存在していました。

 

ですから、売主不動産会社が金融機関と掛け合って、無事に根抵当権は抹消できました。

弁済による解除日は約40年前ですが、

根抵当権抹消の必要書類を売主不動産会社が紛失していたので、

事前通知で抹消手続を行ったケースです。

 

登記は金融機関側の司法書士が行ったので、

私への依頼はなくなってしまいました。

 

両国駅前の司法書士のコラム

3.私道を法外に高く買うことになった話

現在は、田舎への移住ブームと聞くことがあります。

今回はそんな田舎へのあこがれに水を差すかもしれない怖いお話です。

 

ある都会人が田舎の古い別荘を購入しました。

売主は昔は井戸を使っていたためか公共水道が入っていない物件でした。

 

また、公道から別荘までに他人所有の私道を経由する物件でもありました。

 

買主は、私道がないことについて不動産会社から次のように言われたそうです。

1.売主は私道や井戸を問題なく使っていた

2.私道がない物件は、ほかにもたくさんある

3.不安になったときは、田舎の人はみんないい人だから大丈夫

4.何かの時は、私道所有者から掘削承諾書をもらえばいい

 

そこで、買主は、

別荘購入時に説明は受けたかもしれないけれど、

私道や水道のことをあまり深く考えていなかったようです。

 

しかし、久しぶりに利用しようと別荘を見に行くと、

別荘の管理が悪く井戸は枯れかかっていました。

 

買主は、

別荘を使えるようにリフォームや水道を引く手続きをしようとしたところ、

次の問題が発生しました。

 

 田舎の人は、都会人が思っていたほどフレンドリーではなかった

➡ 別荘購入後も全く近所にあいさつには行っていなかったので、近所に嫌われていた

 

 別荘には、私道を通らないと通行も水道管を引くこともできない

➡ 別荘は、私道持分も通行兼掘削承諾書の取得も売買契約に入っていなかった

 私道持分を買うか私道所有者全員から通行及び掘削承諾のハンコ代が必要

➡ 人間関係がこじれると、車の通行や工事業者の通行、ガス・水道工事などができない

 

この都会人は、別荘へ車でも入れず、

水もほとんど使えないので、

しばらくの間家族全員で大変な環境に置かれたそうです。

 

結局、何回も私道所有者に面会を求め、

頭を下げ、よくわからない協力金を支払い、

ようやく私道の一部を売主の言い値(暴利)で譲っていただくことができたそうです。

 

ここでの教訓

 都会人がもつ田舎の人はいい人だという幻想は捨てる

➡ 田舎は人間関係が濃く、そのコミュニティに入るには都会と違う感覚を理解する

 

 公道に面していない不動産は、私道持分がない時は原則として買わない

➡ よほどの魅力と通行兼掘削承諾書(承継規定付き)を私道所有者全員から頂くことが条件にあれば検討の余地はあります

 

 相続なら、通行兼掘削承諾書(承継規定付き)を私道所有者全員から頂く

➡ 本当は相続する前に、承諾書をもらっておくべき

 

 安い物件とか田舎だからと契約に手を抜かない

➡ 手を抜いた結果が、高い買い物となる

 

不動産の購入には、不動産会社以外にも相談することをお勧めします。

ここでの例は、内容が特定できないように変更しています。

なお、このコラムを読んで私自身や司法書士との業務などに興味があった方は、

お問合せフォームからご連絡いただければ幸いです。

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